日本の夏は暑すぎる

 世の中にはおかしなことがたくさんあるように思われる。そしてその「おかしさ」に気付くことが出来て、それを見極めて要領良く行動すれば、そのおかしな世の中を上手く渡って行くことが出来るだろうなと思う。とりあえず僕はそれ程要領が良い訳では無いと思う。けれど、ラクな方ラクな方へと進んでしまいがちなのでいつの間にやらその「おかしさ」に身を浸しているということは十分有り得そうだ。生きていれば「それはおかしいじゃないか」と憤りを覚えることも少なくないと思う。それでも僕は結局その「おかしさ」を変えられるほどの力を持たない。無力さに嘆いて迎合する。弱小レジスター。そういうひとって結構多いんじゃないかなと思う。社会への迎合を拒否することは即ち社会的立場が弱くなることを意味するし、そうなることを受容してまで拒絶することには強い意志が必要だろう。僕はあまりそれを持ち合わせていない。知らないふりをして飄々と世の中を渡る自分に時折嫌悪感を抱くけれど、僕はこの社会をひとりじゃ生きていけないから、日本の夏は暑すぎるんだよ、なんてアナロジーをすりかえて「どうしようもないおかしさ」への文句を呟く。