比較

僕は常々自分を他人と比較してしまう。人間はひとりでは生きられないから比較が生じてしまうのは当たり前なのかもしれないけれど、僕はその比較という行為によって「己の位置」を軌道修正していると思う。なんとなく狡いなあ自分、と我ながら思う。その癖、時折その比較行為の中で自分よりもずっとうまくやっているひとを見ると強く嫉妬する。おそらく、ひとはひとで自分は自分だと悟ることが最適な方法なのだろう。見て見ぬ振りをすることができるならばそれだけでもいいかもしれない。僕は時折前者の行動をとるし、多くは後者のような行動をとる。けれどもほんのたまに、固執してしまうことがある。羨ましくて悔しくて悲しくなることがある。自分に無いものを持っていることに対して妬んでいるだけなのだけれども、自覚しつつも(自覚しているからこそ自己嫌悪に陥る)どうしようもできない。そしてこころのなかでいつかお前を越えてやるさと心に安っぽく誓ってとりあえず寝る。(眠ったら自己嫌悪に陥ったことも忘れる。誓ったことも忘れる。)まあ人間は、というか僕の場合は、よほどのことが何か無い限り突然変わったりなんて出来ない。少しずつでも良い方向に推移していこうと意識していれば着実に変化は現れると思う。