木曜夜−金曜朝(8/26-27)

木曜夜十時半前。夜乃至翌朝に電話が入る予定であったため起きていた方がいいよなと思いつつも眠気のため朦朧とし、結局はそれに負けて布団の中に潜った。そんな時に丁度、件の電話は鳴った。電話を取り通話ボタンを押す。「はい」と言うとそれに対する「あ、初めまして」というの声が耳元に響いた。初めて声を聴くその瞬間、僕はいつも何かしらの感情を抱いているような気がする。好奇心だとか不安だとか期待感だとか緊張感であるとか。なんだかこそばゆいような、嬉しいような、けど(当たり前だけど、)電話は切れない。電波の調子が良くないのか、聞き取りづらい。待ち合わせ場所、時間。とりあえずそれだけ揃えば何とかなる。「それでは明日」と言って電話を切る。そして次に待ち受ける初めて会うその瞬間を前にして、僕は先程と同じ様な感情を抱きながら眠る。
金曜朝八時起床。十時に阪急茨木市駅春日丘公園経由のバス停前。それが昨日聞いた待ち合わせ場所と時刻。二十分程早めに到着し、場所を確認する。いまいち自信が持てず、茨木市駅周辺を徘徊していた時に電話が鳴る。ほぼ十時前。二十分程遅れるとのこと。改札前で待ってますねと伝え、その場所に座り込み。電話は公衆電話から鳴る。いつも違う公衆電話から、そして距離は少しずつ僕に近い位置にある電話からかかって来ているのかと思うと少し面白くなった。そして二十分頃。改札前の柱に凭れ掛かり座り込んでいた自分の前に、彼と彼の友達の女性はやってきた。何故だかすぐに分かった。