体育祭

 弟の体育祭があったので友達と行った。そこは僕の母校でもある。蛇足だけれども僕の家族は全員そこの高校出身だ。少しおかしい。その高校の最寄りのコンビニで驚くべきことがあった。高校の卒業式の日のこと。僕がコクって振られ、それ以来完全に交流が途絶えていた元友人との対面。彼は髪の毛を茶色に染めていた。少し髪が伸びていた。僕は彼にすぐ気が付いた。彼も僕にすぐ気が付いた。彼は驚いて短く声を上げた。僕も同じく息が詰まってわずかに声を漏らした。そしてすれ違った。少し距離が空いてから彼は再度僕を顧み、僕も同時に彼を見た。そして彼は姿を消した。ビールを買って、一気に飲み干した。やはりビールは喉で飲むものだと実感した。やはりビールは一気に飲むものだと痛感した。冷えたビールはうまい。朝から何も食ってなかったから空きっ腹に効いた。なんだか機嫌が良くなった。酒を飲んだことが「逃げ」だったのかはよく分からない。ただ、自然と手が酒に向かった。空は太陽が降り注いでいたけれど、暫くして大雨が降った。