安定

最近泣かなくなった。一月前はことあるごとに泣いていたことを顧みると、我ながら不思議で嘘みたいだ。僕と彼との間のトラブルらしいトラブルは、今年の台風のように次々とやって来て去って行った。僕と彼との間にも四季のようなものがあるのかもしれない。今僕の中にあるのは安定した幸福だと思う。少しだけ怖いのはその安定した幸福に慣れを感じてしまうこと。そんな状態に飽きてしまうのではないかということ。まあまず無いと思うんだけど。「可能性」として考えてしまうのが僕の悪いところかもしれないなと思う。そんなものを考え出すとキリが無いし、何も出来なくなってしまう。大好きなひとと過ごす静かな海面のような(たまにちょっとだけ波が立つくらいの)穏やかな日常というものが何にもかえがたいのだということを僕は少しだけ学習したように思う。
目標というものが形になって自分の前に掲げることが出来るようになってから、かなりすっきりしたということもある。漠然とした目的に対して全力を出せるテンションを自分は持てあわせていない。けれども直接的に人生に繋がる目標があれば、全ての力を出し尽くせるような気になれる。(大学は比較的に人生に対して間接的にしか関わりが無いのではないか、だからみんな遊び呆けることができるんじゃないかなと感じている。)いろんな意味で彼のおかげだなあと思う。こんな自分はやはり恋愛に依存しているのかもしれない。恋愛から導き出される安定というものは長続きしないかもしれないけれど、最早恋愛だけではなくて、「日常的に習慣付けられた安定」に少しずつ移行していっているかもしれない。良い傾向だと思う。