上記文章について、そして四ヶ月前の過去ログ消去の理由について

自分の中である程度の整理がついたので書こうと思う。
七月の終わり、彼と僕と彼の友達のノンケカップルで食事に行ったときのことだった。そこはゲイが経営する店で、客は誰でも入れたけれど、やはりゲイの客も多い、そんなところだった。カウンター席に座った僕等は、それぞれの席位置に従って、僕は右隣にいるノンケカップルと会話をし、僕の左隣に座っていた彼はその左隣にいるお客さんと会話をしていた。彼は見ず知らずのひととすぐ会話を始めるのだった。彼はにこにこしているように“見えた”。食事を終え、店を出る際、彼と話をしていた男性が、僕に向かって「日記読んでます」と言ってくれた。すごくうれしかったけれど、それ以上に焦った。皆店を出てしまっていたので、僕は挨拶もそこそこにその店を出てしまったのだけど、おそらく狼狽している様子は彼に伝わっていたと思う。彼は帰り道の間、常に不機嫌だった。見たことのない不機嫌さだった。
彼の家族について書くな、それが彼の唯一の要望で、僕が日記を書いていて唯一彼を悲しませたことだった。彼が言うに、僕が個として認識できるひと(たとえばHNを持つ一個人)に対して、彼の家族のことを一対一で述べるのならよいのだけど、不特定多数に対してそれを公開することはやめて欲しいとの由。これまで僕が彼と十ヶ月付き合って、彼を泣かせてしまったのはただ一度、そのせいだけだった。それで僕は僕の三年間の日記を消去した。僕の日記のせいで誰かが悲しむのはいやだったし、それが僕の大好きなひとなら尚更だった。僕は彼に日記のURLを教え、彼がそれを読み判断すればいいと思った。そこには僕の三年間が凝縮されていて、僕が思ったこと、感じたことが全て詰まっていたからだ。けど、それは受け入れられなかった。彼は結局僕が彼と出会った頃からの日記だけをちょこんと読み、僕の書いた彼の家族の記述について彼はひどく悲しみ、泣いた。僕は純粋に思ったことを書いていただけであったのだけど、勿論悪いのは僕なのだろうと思い、その後日記を消去したのだけれど、彼に泣きながら「お前に僕の何がわかるんだ」という言葉を言われた瞬間は、僕も泣きそうになった。しばらくして、彼から電話がかかってきた。「僕は君を許せそうにないから、別れよう」と言われた。僕は一連の出来事が本当に急なことで、驚きを隠せなかったけれど、仕方の無いことだと思った。僕は彼のことがそのときも大好きだったから、そのことだけを彼に伝えて、なんとか仲直りしようとした。その後どうにか修復することに成功したのだけど、結局ネットでの表現について、僕の中で燻り続けた。彼の家族についての記述はできるだけ避けるようにした。しかし彼の中で彼の家族が重要である分だけ、彼の家族についてのことを避ければ避けるだけ僕は彼のことを“書けない”“書けていない”と感じ虚しくなったりした。それは、今でも続いている。
というわけで、昨日今日の出来事に関しても記述が曖昧になっているのだけど、もし詳細を知りたい方がいたら僕にメールを下さい。僕から直接、一個人に言うのであればそれは許されると思うし、そうでもしなければ僕が相談できる可能性はゼロになってしまいます。そのことは彼も理解してくれるはずです。以上が三年分の過去ログを消去した理由でした。